イランの楽器【タンブール Tanbour #02】

★Ahl-e haqq(اهل حق)とタンブールの楽曲

今日、イランで「タンブール」として知られる楽器は、西イランや東イラクに分布するクルド人が大半を占める宗教、Ahl-e haqq(アハレ・ハック/またはヤールサーンとも言われる)に属する人々の間に残り、伝えられてきたもの。Ahl-e haqqは、イスラーム教に分類される融合宗教であり、独自の哲学と文化を持っている。

音楽への抑圧が時に激しく行われてきたイランの歴史の中で、タンブールは祭事や神秘主義者たちの宗教集会において守られてきた。タンブール以外の楽器も使われてはいたが、Ahl-e haqqたちの間ではとりわけタンブールが神聖視された。

 

Ahl-e haqqの集会では、メインの歌い手が歴代の精神的指導者たちの詩句を歌い、他の者たちは手拍子でリズムを取りながら一番最初の詩句をメインの歌い手に応える形で歌う。タンブール奏者は、伴奏者としてリズムと雰囲気をキープするよう務める。そのため、タンブールで演奏される原曲の多くは一つか二つの基本メロディーを繰り返すシンプルなものである。

 

タンブールのマカームについては幾つかの意見が存在するが、一般的に流通して知られているもので72と数えられている(実際は、さらに多数存在したと言われている)。16の伝統マカームと56の真正(神聖)マカームが存在し、後者のマカームはAhl-e haqqの者にのみ演奏される。古くは、1000年以上も前の楽曲が存在している。

 

10世紀に作られたタンブール・マカームに歌われる詩の中には、ハウラミー訛りのクルド語(old gurani)で詠まれたものもある。

 

イランのタンブールは、現在ケルマーンシャー州のグーラーン地方とサハネ市が主な拠点地とされているが、山岳地帯のハウラマーン地方とグーラーン地方から徐々に伝わっていったのではないかという見解もある。

 

グーラーン地方には宗教Ahl-e haqqの総本山がある一方、サハネ市は古くから多様な文化の交流地として栄えた街であり、音楽にもその影響を与えたとみられる。

グーラーン地方のタンブール楽曲が、よりシンプルな形を留める傾向があるのに比べ、サハネ市のものは、よりメロディアスで音楽的である。また、奏法も微妙に異なっている。

 

つづく

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